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ワタシはコレでジムに通い始めました『湾岸道路』『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』

2009年06月23日 コメントはありません

うつ病も回復期に入り、そろそろ体力もつけないといけないと思いはじめていた時期に、たまたまこの二冊を読んだ。もしかして今が好適期かも知れない、そう感じて、今月頭に近所のジムとプールの定期を申し込んだ。いまのところ週三回のペースで行けてます。認知行動療法と組み合わせればさらに効果的なんだろうけど、とりあえずできることから少しずつやっていこうと思う。


片岡義男作品をバイク小説として読む

『湾岸道路』は、ジムのインストラクターをしているマッチョな男と、並はずれた美貌をもつ女(現代ネット風にいえば、リア充カップルになるだろうか)の、出会いから別れまでを描いた物語だ。

男根主義、あるいは旧態依然とした家父長制的な性格の男は、なにごとにおいても「かっこよさ」を最優先する。ものごとを決めるときには「かっこいいかどうか」を基準に判断する。とびきりの美人である彼女の容姿や佇まいばかりを男は褒め、女の内面に関してはあまり興味を示さない。

女は浪費癖がひどく、あまり賢いとはいえないタイプだ。しかしそれを補って余りある美貌をもつ。美しすぎて男が敬遠、あるいは本能的に(明らかに自分よりも優位な異性に対する畏怖やあきらめなど)関係をもとうとするのをためらわせるほどに。

多くの片岡作品と同様に、この作品にもバイクが登場する。しかも男女関係のキーアイテムとして。結婚したふたりが離婚し、別れの最後に男がバイクで走り去り、あてのない旅に出る。そのときひとり路上に残された女はその状況に悔しさを感じ、免許を取り、男と同じバイクを買い、別れの一年後に別れた場所からバイクで旅に出る決意をする。

片岡作品のバイクシーンの描写は(やや一辺倒ではあるものの)とてもさわやかで、風景描写がクリアだ。そして、バイクという疾駆する物体と、文字という抽象概念の隔たりから立ち上ってくる感傷(あるいは《文章》そのものが宿命的に帯びている感傷性)の加減が絶妙だ。感傷的過ぎず、むしろややドライなのだが、作者のクールな視線からときおり透けて見える優しさが包む作品のトーンがうまくそのドライさを中和してくれる。

片岡義男作品をバイク小説として読まない

本作は、主人公がジムのインストラクターと生徒の関係なので、必然的にジムでの描写がでてくる。ウェイト・トレーニング、プール、主人公の家に設置してあるトレーニング・マシーン。それらを利用して主人公たちは肉体を鍛える。男のトレーニングは文字通りマッチョで密に、女のトレーニングはしなやかで優雅に描かれる、特に、ふたりの別れが決定した後に、ふたりでプールで500m泳ぐシーンは、ふたりおよびそれを描く作者に嫉妬してしまうほどに美しくはかなく滑稽でもの哀しい。何気なくかかれているけど、水中という非日常な世界での恋人同士の戯れが実によく描けていると思う。このシーンを読んで、僕は遠泳がしてみたくなった。泳げないんだけど。

あまり関係ないけど、肉体性や身体性はこれからの文芸にとって重要な要素になると僕は思っている。

できる人が筋トレをするのか、筋トレをするからできる人になるのか

結婚生活や学習、仕事、トレーニングなど、ものごとの多くは、成功させる共通のポイントがある。

  • 具体的なレベルで目的的、具体的である
  • 科学的、論理的な訓練をする
  • ありたい姿をイメージする
  • それを継続する

筋トレであれば、目標(理想の肉体)を決定し、それを日数や体重などの数値に落とし込み、それに見合ったプログラムを組み、トレーニング中はどの部位の筋肉をどのように使って、どのように形成したいのかイメージし、そして継続する。

ものごとのやり方の根幹が共通しているなら、一方がうまくいけば、もう一方も応用次第でうまくやれる(可能性が高い)。つまり、仕事ができれば筋トレもできる、筋トレができれば仕事もできる(可能性が高い)、ということではないだろうか。

いうまでもなく、上記でいちばんむずかしいのは「継続すること」だ。こればかりは意志の力だけではどうにもならない人がほとんどだろう(もちろん僕もその一人だ)。

『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』は、そのあたりの関連を説き、初心者向けに具体的なトレーニングの仕方を指示する。年代、性別、ウェイトダウン、ボディビルディングそれぞれに合ったトレーニング方法や食を中心とした生活の改善方法が記されているのがありがたい。30代男性がやせるためにはこういうことをすればいい、という内容がわかるのだから。

ジムの選び方やトレーナーの見分け方も載っているので、僕のようにジムに通うのは初めてという方は、ジムに申し込む前に一読されることをおすすめします。


湾岸道路 (角川文庫 (5682))

著者/訳者:片岡 義男

出版社:角川書店( 1984-01 )

定価:¥ 479

文庫 ( 356 ページ )

ISBN-10 : 4041371325

ISBN-13 : 9784041371329


仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか (幻冬舎新書)

著者/訳者:山本ケイイチ

出版社:幻冬舎( 2008-05-29 )

定価:¥ 777

Amazon価格:¥ 777

新書 ( 214 ページ )

ISBN-10 : 4344980867

ISBN-13 : 9784344980860


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